手。

手のもつ力。

 

 タッチングによる心の癒しだったり、お味噌を作るときに素手で混ぜて常在菌を入れると、美味しくできたり。

手は、物を掴んだり、創ったり、触ったりといった、日常に欠かせないからだの部位でもあるのですが、アーユルヴェーダでは、この手を創造するアンテナだといいます。そして、必要なものを計るものさしや、計量カップとして自分の体を使いなさい、と説いています。

 

 両手で丸い器の形にすると、それが1杯約1カップ(200cc)。この両手の器2つ分の食べ物が、私たちの胃を満たす量(子供には、大人の手で1杯くらい)。片手手の平1杯の液体は、大さじ1。同じように、自分のひとつまみがスパイスや隠し味の分量に相当します。指には、関節という目盛りがついてて、御飯の水分量を測ったり、シナモンスティックの長さや、生姜の大きさをも計れます。どうしても必要な道具だけを使うこと。計量カップやスプーンなどの道具は、注意力を散漫にして、食物と直接行うエネルギー交換を妨げるというのです。

 

 現在、すごくたくさんの便利な道具が溢れていますね。なくてもいいんだけど、あると便利なそんな道具。お料理をするときは、慣れるまでは難しいかもしれないけれど、家庭料理は手のメジャーが当たり前のような気がします。お母さんも、ばあちゃんも、「このくらい」で美味しい御飯を作ってくれてました。 まぁ、ここには「経験」という大きな要因があるんですがね。でも、手のメジャー。使いこなせたら、どんな便利な道具より、便利なものになるのかもしれないなぁ。